子会社上場戦略を転換したNEC、臨機応変かその場しのぎか?

2004年12月16日

 

nikkeibp.jpに日経ビジネス提供として、NECが12月2日に発表した「NECグループのソフト・サービス事業体制の再編・強化について」に対する見解が掲載された。

NECの発表の内容は、「ソフト・サービス事業体制の再編として、NECソフト、およびNECシステムテクノロジーを100%子会社にし、両社をNECのビジネスユニットの一つとして、ソフト開発力、SI力を最大限発揮できる事業体制を構築する」というもの。

これに対し、日経ビジネスの記事は、2004年9月中間決算で通期連結営業利益予想を下方修正したことを示して、「ようやく最悪期を脱して反転攻勢に出ようというNECの出ばなを挫く内容で、その背景に第3世代携帯電話端末でのソフトウェア開発失敗をあげている。

その背景をもった再編計画だが、問題は4年前NECソフトを、1年前NECシステムテクノロジーを株式上場させたばかりの子会社を、再び完全子会社化して上場廃止にするとはなぜだ?と疑問を呈している。

上場廃止はコンピュータのリセットとのようにやり直しはきかない。「3日の投資家向け説明会でも、金杉社長から納得いく明確な説明がなかった。株主を軽視したその場しのぎと言われても仕方がない」と証券アナリストの声を紹介している。

昨年9月、NECシステムテクノロジーを上場する前に現場の変調を見通せなかったのか。「ソフト開発の失敗と言うが、どう見ても経営戦略のミス。組織をどう再編するかという小手先のテクニックの前に、今後のNECがどうあるべきかという成長戦略を語ってほしい。それがないから後追いの対症療法に映る」と証券アナリスト。

 投資家説明会では、金杉社長へ交代を迫る質問まで飛び出し、投資家の視線は厳しい。と締めくくっている。

 
nikkeibp.jp の記事は、http://nikkeibp.jp/のニュース検索でNECと指定して2004年12月16日記事をご覧ください

NECプレスリリースは、http://www.nec.co.jp のニュース→プレスリリース 2004年12月2日からご覧ください。

 
前ページへ