派遣労働者の過労自殺を認定
ニコンなどに賠償命令
  東京地裁

2005年3月31日〜4月1日

NIKKEI NET、asahi.com、しんぶん赤旗は、ニコンの工場で働いていた業務請負会社アテストの社員、上段勇士さん(当時23歳)が自殺したのは過労が原因だとして、岩手県在住の母親、のり子さんが両社に計1億4400万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁は31日、「自殺の主因は業務の過重性に基づくうつ病」として両社に計2488万円の支払いを命じる判決を言い渡した。と報じました。

勇士さんは1997年10月、名古屋市の業務請負会社「アテスト(当時の社名はネクスター)」に就職。埼玉県球熊谷市のニコン熊谷製作所に派遣され、半導体製造機会の最終検査を担当していました。15日連続の昼夜二交代制勤務や度重なる休日出勤、派遣労働者として解雇などの不安など精神的ストレスを抱えながら働いていました。

芝田裁判長は、上段さんが業務上の指示をニコン社員から受けていたことから「ニコンの労務管理のもとではたらいていた」と認定。過度の時間外・休日労働を含む海外出張、15日間の連続勤務などがあったことなどを踏まえ、「提起健康診断以外に身体的、精神的負荷を軽くするなどの義務があったのに怠った」とニコンの責任を認めた。アテストについても「業務軽減をニコンに要請するなどの措置をとらなかった」として賠償を命じた。

原告代理人の川人弁護士は「深夜労働の過重性や派遣社員という不安定雇用の厳しい実態を認めたもので、画期的な判決」といっています。


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