今、フィ−ルディングにおいて、配偶者手当廃止を前提にした扶養手当見直し問題が正念場を迎えています。見直しの理由は、「一方的処遇から公正・公平な処遇に」「男女共同参画社会の実現」に向け、厚生労働省の男女賃金格差解消のガイドラインに応えて「次世代育成拡大・少子化対策」を計るというものです。
具体的な中身は、すでにNEC本体で実施されているものと基本において変わっていませんが、移行措置が2年から1年に後退しています。
■新生児1名につき55万円を支払う
■18歳未満の子供、8千円に増額(新規は5千円)
■配偶者手当廃止の原資を一時金成果配分に充てる
■移行措置:4月から1万円に減額、来年4月廃止
今回の扶養手当見直しにも多くの問題点・疑問点を抱えています。以下、いくつか取り上げてみます。
@、扶養手当見直しは、「次世代育成支援の拡大」としている。1人の子供を大学まで出した場合には軽く1000万円を越えてしまう。1回限りの55万円が少子化対策・次世代育成になるとは考えにくい。むしろ、配偶者手当廃止で子育ての選択肢がなくなり逆の結果が生じかねない(仕事と子育ての両立支援が常に前提となり、もはや2人目3人目はない)。
・子供が学校から帰り自宅に誰もいないという家庭が理想な姿なのか、それが次世代育成に繋がるといえるのか。
A、廃止の移行措置がわずか1年で、実施されれば4月から2万円が1万円に減額される。3年前の提案より後退している。
B、原資を一時金成果分に充てるとしながら、肝心の原資の管理と配分方法については「別途継続協議」とし、問題を先送りにしてしまった。
・試算では1人平均2万円程度。その一時金の月数は変動するため、加算の事実確認は難しい。最後には信用するしかないということになりかねない。
C、厚生労働省の「ガイドライン」は、家族手当廃止が男女賃金格差解消に繋がる理由に手当を受け取る「世帯主のほとんどが男性である」を挙げている。女性に限らず独身の男性も受け取っておらず、その指摘は当たらない。同ガイドラインが示しているように家族手当(配偶者と子供の手当)が賃金に占める割合は、わずか2.1%に過ぎない。
・同ガイドラインは、「男女間賃金格差は、職階(部長、課長、係長などの役職)の違いによる影響が大きい」「職業能力や職務の評価の判定方法や業務の与え方、教育訓練等の運用面で公平性が保たれない限り、どの制度でも男女間賃金格差を生成する」点を強く指摘している。
・フィ−ルディングにおける男女間格差の原因は、総合職(主に男性)と一般職(主に女性)の賃金格差が極端なところにある。一般職の上限は28万8千円、総合職の上限は43万円である。格差の解消には2003年1月に合意した「一般職と総合職の職
群を統合し、勤務地を限定した3つのコ−スから働き方を選択可能とする。選択したコ−スによって処遇面で格差を設ける」制度を実施する以外ない。
D、「家族手当が配偶者の社会進出を阻害する要因」とか「配偶者については、手当として支援するのではなく、働ける環境の整備を通して支援することが望ましい」としながら、その支援策は何ひとつ打ち出していない。これでいて「就業の選択に対し中立的な制度を実現するための方策」はない。
・「社会進出」とは、企業で就業することと認識している様子。企業は、社会を構成するひとつの要素でしかない。地域社会で、いろいろなボランティア活動に積極的に参加しているのは家庭で頑張っている女性たちである事実を全く理解していない。社会進出も多様である。
緊急アンケート結果、扶養手当見直し反対85%!
現在、配偶者手当を受けている人は1871名にも昇っており、影響は非常に大きいといえます。そこでフィールディング職場で働くみなさんが、この問題をどう受けとめているかを知るために緊急アンケ−トを実施しました。
その結果は、「配偶者手当は不公正・不公平とは思わない」が62%。「原資の一時金成果配分は望ましくない」が6
2%。「廃止で生活に影響する」が89%。「扶養手当見直しに反対」が85%という高い数字を示すこととなりました。他の職場で実施したとしても結果は変わらないでしょう。これが大勢の意見です。もはや、納得が得られない今回の扶養見直し策は、取り止める以外ありません。
昨年4月実施を目指していた東芝と沖電気では各職場での反対の声が強く、何れも実現とはいきませんでした。
今こそ、組合に確信をもって一人ひとり、その想いを届けましょう。そして、東芝・沖電気に続いて配偶者手当廃止を食い止めましょう
。
|