緊急速報! NFASの集約時期早まる!

〜会社はNFAS社員の雇用に責任を持て!〜


2008年6月15日        

NEC&関連労働者ネットワーク

1.集約が08年12月に早まる!

 

6月10日(火)、NFASは会社集約に関する説明会を社員に対し行いました。今回の発表では、会社集約

の時期を当初の予定であった09年3月末から3ヶ月前倒し、08年12月末で閉鎖としています。現在相模原

事業場のUC棟で造りだめをしている携帯電話用のLSI生産を、NECセミコンダクターズ山形のラインに移設

できる見込みが立った事による実施時期繰上げと見られています。これにあわせ、社員への移籍先通知も、当初予定の9月から7月に早めました。いま、NFASの職場は改めて騒然としてきています。

 

 

2.NFAS社員の行き先はどうなる?

 

最も心配なのが、NFAS社員の移籍先です。もともと製造、保全、設備支援に携わる人達は、NECELの

生産系子会社へ移籍すると言われていました。今回の発表では、行き先をNECセミコンダクターズ山形一本

にすると言われています。遠地にある他社への移籍が強行されようとしているようです。

また、NFASでは、今期3度の人材公募を行う予定となっています。第一回目は4月に実施されました。第

2回目は6月9日(月)からはじまっています。この第2回目ではNECEL、NECグループ会社、および他社への求人紹介を合わせ、275名分の枠が設けられています。特にグループ外の他社枠が約半数の130名分を

占めていて、それに比べてNECEL内やNECグループ内の求人が少ないのが気になります。

 

 

3.社員への心理的圧迫を強める会社

 

今回発表された内容は、移籍までの日程が短縮されたことだけでなく、いくつかの点から、NFAS社員の

心理に、今まで以上の圧迫を加えるものになっていると考えます。それは主に次の点についてです。

 

@人材公募は“諸刃の剣”

本人が移籍先を選べる人材公募制度は、確かにこの時期実施する施策としては妥当な面もあります。

しかし、人材公募の欠点は、面接で不合格となる可能性があることです。では不合格の判定を貰った人は

どう感じるでしょうか?きっとどんな人でも大なり小なり自信を失うはずです。自分を必要とする職場は無い

ものと受け取って、退職を選択肢のひとつと考えてしまうかも知れません。

 

A有無を言わせぬ移籍先

今回、生産関係の職種の方々は、一律にNECセミコンダクターズ山形移籍と発表されました。そして、事

情のある方だけが、九州・山口・関西地区への移籍も考慮されると言われています。この後半の部分がミソ

です。おそらく多くの方は、山形だろうと九州だろうと、遠地の子会社へ片道切符の移籍は出来ないと思って

おられるのではないでしょうか。しかし会社は、そのような本人にとって本当に重要な事情は考慮しない姿勢

を貫きながら、なおかつそれをカムフラージュするために、移籍先の子会社の選択という本質的にほとんど意味の無いところで、あたかも譲歩しているかのように見せています。これによって、九州などに実家でもない限り山形行きは拒否できないものと思ってしまい、諦め半分に山形行きを受け入れてしまう方がいらっしゃるかも

知れません。

 

 

B“最後の仕上げ”特別転進支援施策

つい数ヶ月前に行われた早期退職優遇制度とそっくり同じ制度(ただし対象年齢に制限がないこと、および

退職金の割り増し月数が5ヶ月少ないことが異なる)が、特別転進支援施策と名を変えて、これも予定より約

2ヶ月前倒しの11月に適用される予定となっています。この時点で移籍先の決まらなかった人は、もうこれで

辞めてくれと言わんばかりです。

 

 

4.会社は雇用責任をとことん果たせ!

 

今回の発表を受けて、まず始めに感じるのは、会社側の姿勢に「遠地の子会社へ転籍する方に対する配

慮が感じられない」こと、および「雇用責任をとことん果たそうと言う姿勢がますます見えなくなった」ことです。

生産系社員のNECセミコンダクターズ山形移籍については、遠地の他社への移籍であり、かつ段階的に

賃金などの労働条件が切り下げられる予定となっていることから、強制することは出来ません。特に家族的

責任などから移籍できない社員に対し、最大限の配慮が為される必要があります。これについては、「法律的側面からの考察」も参照してください。NFAS閉鎖で職場が無くなるのは社員の責任ではありません。まずは本人の希望を聞き、遠地へ異動せずとも済むよう、NECEL内の職場に異動枠を設けて本人に選択させるべきでしょう。人材公募はその上で行うべきです。

人材公募を実施するのは良いとしても、公募の実施までが会社の雇用責任で、それに合格するかどうかは

各人の自己責任と思ったら大間違いです。今回の人材公募は雇用のマッチングが主目的ではなく、まず働く

場所の確保が目的のはずだからです。また、実際に面接にあたるのは、各職場の事業部長やマネージャー

クラスでしょう。今回の面接は通常の人材公募と違って、落とされた人の人生に甚大な影響を与えかねないこ

とを念頭において面接にあたられることを願います。

 なお、こうした会社発表に対するNECEL労組の動きは今のところ何も見えていません。会社が労組に何も

相談せずに一方的に閉鎖時期を早めたとすれば、非常に問題です。労組がこの問題を重視し、今後の取り組みを強化することに期待したいと思います。

 

NEC&関連労働者ネットワークは、NFASの今後について注意深くウォッチングしていきます。もし移籍先

などについてお悩みの方がいらっしゃいましたら、是非ともリストラ110番へご連絡ください。つい最近も、

機ユニオンとの協同により、NMSのリストラにて成果をあげています。私たちは、きっとお力になれるものと

信じています。

 

 

 

 

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