ELリストラニュース 第7号

 

地方生産工場で派遣1200人がリストラに


2009年1月18日        

NEC&関連労働者ネットワーク

 

 1月15日に、NECエレクトロニクス社が製造工場で働く派遣社員1200名の削減を発表したと、マスコミ

各社が報道しました。これは昨夏時点における全派遣社員数の実に85%にあたると言います。多くは契約

期間の満了にともない、新規の契約更新を行わないと言うものです。

 

自動車用マイコンや専用LSIを主力に据えるNECエレクトロニクスは、サブプライムローン問題によって

引き起こされた世界的な景気後退の影響を受けるのも、同業他社よりは遅めだったと言われています。

しかし、2008年度の下期から急激に受注が減少してきており、ここへ来て各生産工場の稼働率が大幅に

低下し、かつ業績下降の底も見えない状況となっています。そのため今年度および来年度には大幅な赤字

を出すことも必至との見方が広まりつつあります。ここで問題になるのは、「では業績が悪化していたら派遣

社員は切って当然なのか?」でしょう。

 

ここ数ヶ月間、製造業の派遣切り関連のニュースが、毎日の様に新聞やテレビで取り上げられています。

中には、13兆円もの莫大な内部留保を溜め込んだトヨタや、3兆円のキャノンなど、つい最近まで大もうけ

していた大企業までも名を連ねています。今から20年ほど前には、企業にとっての内部留保の意味を経

営者側は、「経営が悪化したときに取り崩し、これで従業員の雇用や賃金も含めて保証するための蓄えだ」

と説明していました。それがいつの間にか、従業員の雇用を奪ってでも蓄えるものになってしまっています。

こんな身勝手を許してしまえば、会社が黒字化することも、高い利益率を上げることも、働く者にとっては

ほとんど意味の無いことになってしまうでしょう。

 

「だがNECエレクトロニクスにトヨタやキャノンほどの体力は無いだろう。」そういう反論があるのも、もっと

もだと思います。しかし、もし同じ会社で働いてきた仲間である派遣社員の雇用を、そして生活を守りたいと

の思いがあるのなら、まだ諦めるには早すぎます。派遣社員1200人分の人件費は、26万円/人・月と仮

定すれば年間でも40億円弱です。これに対し、詳細は不明ですが内部留保は1500億円とも2000億円

とも言われています。内部留保の数%を切り崩せば、全員の雇用確保が可能なのですから。

 

NEC&関連労働者ネットワークでは、派遣社員を含め、NECグループで働くすべての人の雇用を守る

ことを目標にしています。また電機ユニオンは、一人でも加盟できる労働組合として、派遣社員の方々にも

加盟も推奨しております。リストラ等でお悩みの場合には、リストラ110番を通じてご相談されますことを

お勧めいたします。

 

 

前ページへ