ELリストラニュース 第8号

 

労働組合の下、雇用を守る1年にしよう。


2009年4月8日        

NEC&関連労働者ネットワーク

 

2009年度の春闘は、集約内容のあまりのひどさにショックを受けた社員が大勢おられる事と思います。

一時金は2.3ヶ月と聞いたことも無いような低水準で、ベースアップもゼロ、昇給昇格は1月まで繰り延べ、

おまけにフレックスは休止と散々な結果です。「業績が悪いんだから今は我慢するしかないか〜」と前向きな

社員もまだまだ多いかも知れません。でもNECエレクトロニクスはこの春闘の間に、2009年度の黒字化

必達を目標にされてしまいました。これが達成できない見込みとなった時点で、改めて雇用に手をつける施

策が登場しないとも限りません。もちろんそんなのノーサンキューです。そこで今の内に備えておきましょう。

 

 

黒字化できずとも雇用は守ろう。

 

日本の司法では、過去の判例から「4つの条件」の全てを満たすときのみ解雇には「合理的な理由が

ある(違法ではない)」とされています。これを解雇4要件と言います。これが従来から社員を解雇から守る

うえで大きな力となっています。ではその解雇4要件とは何でしょうか。NECエレクトロニクスの現状と合わ

せて見て行きましょう。

 

条件1.「人員削減に十分な必要性がある。」

 

これは人員の削減が不況や経営危機など経営上の十分な必要性に基づいていることを要件とする

ものです。NECエレクトロニクスは、2009年度黒字化必達と言う、同業他社に比べて随分と高い目標

   を課せられてしまったものです。これが達成できないことを理由にリストラではたまりませんね。親会社

   であるNECの責任とあわせて論じられるべきでしょう。

 

条件2.「解雇を回避する努力義務を十分果たした。」

 

具体的な手段として、労働時間短縮、配転出向、一時帰休、新規採用の停止、希望退職の募集が

あります。NECエレクトロニクスの場合、一時帰休は生産工場で実施済みです。本体でも4月と5月に

1日だけ行われますが、まだ日立のようには本格化していません。労働時間の短縮、役員や管理職の

賃金カットなどもまだ不十分との声もあります。2010年度の新規採用はゼロが決定しましたし、希望

退職募集は2007年度に実施しましたが、努力義務を完遂したとまでは言えないでしょう。

 

条件3.「解雇対象者の選び方が公正・妥当である。」

 

この基準としては、勤務成績など労働力評価、勤続年数など企業貢献度、労働者の生活への配慮

等があるとされています。お互いに不安があると、つい自分や自分達の集団が生き残る事を考えて、

それ以外の集団をリストラすべしとの発想になりがちですが、大切なのは社員がお互いを必要とし合う

関係を築くことでしょう。そのような環境づくりがお互いを守ることにつながり、かつ仕事の上で重要な

“知恵の結集”にもつながってくると思います。

 

条件4.「説明・協議手続きを尽くしている。」

 

これは労働組合や労働者に対し、十分な説明と誠意を持った協議を行ったかどうかです。最終的に

   は労働組合が受け入れたかどうかで決まりますが、それまでのプロセスで組合員の納得がどれだけ得

られたかが問題になるでしょう。

 

 

今こそ労働組合に注目を!

 

  2009年は非情に厳しい1年になるとも言われていますが、知恵を結集し、勝ち抜くとも負けない行動力

でもって、仕事においても、雇用を守ることにおいても、ねばり腰で頑張りたいものです。もちろん、そのため

の主体となる労働組合の存在も、これまで以上に重要になるはずですから、その動向を十分に注目してい

きましょう。

役割グレードの方は電機ユニオンへ加盟されることをお薦めします。電機ユニオンは一人でも加盟でき

る労働組合として、すでにNECエレクトロニクスグループの役割グレードの方々に何人も加盟して頂いて

おります。加盟へのご相談や、リストラ等でお悩みの場合には、リストラ110番に是非ご一報ください

 

 

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